奄美大島の高校生と調査をしました(7/18-22)

昨年度から奄美大島にある大島高校の探究学習の支援をしています。今回は2年生の生徒さんたちと紬ビルの調査や同校の探究学習の中間報告のコメンテーターとして、5日間の日程でお邪魔しました。

18日は紬の生産・販売や紬関連の観光施設を営んでいる大島紬村に大島高校の生徒3名とヒアリングに行きました。19日と20日は名瀬市街地に点在するいわゆる紬ビルの実態調査を行いました(写真)。紬ビルとは、大島紬の生産が最盛期だった1960年代、70年代に、織子さんを住まわせるために立てられた共同住宅で、1階部分が工場になっています。しかし、紬の生産が1980年代ごろから低調になり、最近では空き室も目立つようになりました。中には居住者がいなくなり、廃墟になりかけているものもあります。

不良ストック化が懸念されている紬ビルですが、奄美大島の歴史にとって、大島紬の存在は大きなものがあります。また、紬ビルは建設時期によっても建築形態に違いがあったり、優秀な織子さんを呼び込むために、意匠にこだわりがあったり、建物それぞれに個性があります。

地元でも過去の古臭い遺物のような存在になっていますが、私はかつて奄美大島を経済的に潤した紬産業を今に伝える社会・文化的遺産だと考えています。すべての紬ビルを残すことは難しいですが、市内に残るいくつかの紬ビルをリノベーションし、奄美の社会・文化的遺産として後世に引き継いでいければと思っています。

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この記事を書いた人 / 駒澤大学 文学部 地理学科 准教授

専門は都市地理学・地域研究。市街地開発やまちづくりを主題に、現場での調査を重ねる。「課題も解決策も、現場(地域)にある」を信条に、地域のお医者さんでありたいと考えている。